ゴールデンウイーク 軍艦島(長崎)旅行記

当社社員がGWを利用して、長崎の「軍艦島(皆さん知ってますか?)」にETC割引を利用してマイカーで行ってきました。今週は、国内になりますが、長崎・軍艦島旅行記を掲載させていただきます。


4月中頃の話です。妻と「ゴールデンウィークはどこに行こうか?」と話をしておりました。ドライブ好きな私は、例の1,000円ETC割引があるので出来るだけ遠いところに行こう!ということで、ガイドブックを読み漁ることに…。

すると、長崎のガイドブックに気になる記事を発見!「軍艦島が平成21年4月より上陸可能に!」皆さんは軍艦島をご存知ですか?軍艦島とは長崎県にある海底炭鉱で栄えた周囲約1.2kmの非常に小さい島です。日本で最初に鉄筋コンクリート造のアパートが建設されたりして一時期は人口5,000人を超え東京の9倍もの人口密度でしたが、1974年の閉山とともに島民が島を離れ、現在は無人島となっています。

その無人島が35年ぶりに4月22日より上陸が可能になることがわかりました。ゴルデンウイーク前に上陸可能になるとは…早速妻に「長崎に行くぞぉ!」といい、「軍艦島クルーズ」を実施している船会社に電話して、即予約してしまいました。

事前の情報では天候により上陸できない場合があるとのこと。軍艦島は天然の岩礁に埋め立てを繰り返して出来た半人工の島。島の周囲は軍艦のように絶壁に囲まれて、波がぶつかればそのまま跳ね返る…そんな場所に着岸するには、穏やかでないと不可能な場所です。その為、上陸できるのは年間160日程度しかありません。

我々が長崎入りしたタイミングで、雨が降り出してきました。上陸当日、朝起きてみたらまぁ景気よく雨が降っているじゃないですか…。午後、いよいよツアー出発。雨は一層強く…こんな雨でもやはり注目度は高いのか船は満席、テレビの取材クルーも乗り込んできています。視界もぼやけてきており、実際軍艦島まで行ってみないと上陸できるかわからないとのこと。

晴れていたら軍艦島までの途中の景色も楽しめるはずなのですが、天気が天気…寒さも手伝い、さすがに楽しむまではできませんでした。出航から約1時間、軍艦島が近付いてくるにつれて、島での注意事項と着岸準備に入りますとアナウンスが入ります。何とか上陸ができるようで、一同安堵の表情を見せました。

そして上陸!相変わらず雨がひどく、景色より雨を気にしてしまう始末…でもそこは確かに軍艦島。周りを見渡すと、テレビやインターネットで見た風景がありました。

その風景は…見事なまでの廃墟です。

端島病院跡
端島病院跡
端島小中学校&炭鉱ベルトコンベア跡
端島小中学校&炭鉱ベルトコンベア跡

一般的に観光地として整備されている廃墟であったり戦争の爪痕が残っている場所については、瓦礫は取り除かれているところが多いですが、軍艦島はそのまま…地面は建物が朽ち果て崩れた姿をそのまま曝け出しています。軍艦島から人間がいなくなって35年…時の流れというかなんというか、時代の栄華を映し出すにはあまりにも無残な姿でした。

島内は周囲1.2kmのうち8分の1程度が見学通路として整備されており、そこにのみ立ち入りが可能な状態です。この部分の見学だけであれば、ゆっくり見て回って30分あれば十分です。この部分は以前あった建物などが倒壊してしまっているエリアで、多くの人が生活していたエリアから離れてます。

私が興味があったのは居住エリアなのですが、倒壊の危険があるとのことで、現時点では足を踏み入れることが出来ません。致し方ないことなのですが、今後、居住エリア辺りまで見学できるようになると面白いかと思います。

島内の見学を終え、再度船に乗り込みます。帰りに船は島の外周を回ってくれます。その時に初めて居住エリアの全貌を見ることが出来ます。海上からですが、その姿には圧倒されます。びっくりするぐらい狭いエリアに数十もの鉄筋コンクリートの建物が林立しています。これらが戦前から建ち出したもので、海の上に建っていて、今は誰もいなくて…考えれば考えるほど不思議な光景でした。いよいよ船が島を離れ、軍艦島を後にしますが、だんだん小さくなっていく軍艦島に、哀愁を感じたのは何故でしょう…。こうして念願でもあった時間が終わりました。

後日談ですが、長崎の人に聞くと、ゴールデンウィークを境に軍艦島クルーズが大盛況とのこと。皆さんも長崎へお出かけの際は、軍艦島まで足を伸ばされてみてはいかがでしょうか。

軍艦島(wikipedia)

※この旅行記は、2009年5月に書かれたものです。最新の情報は、ご自身でご確認ください。

軍艦島クルーズ船
さよなら軍艦島

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